ボクセルモト・・・新車当時のオーラを目指してみました

2014年10月31日 Posted by ikeda_moto

 

皆さん、コンニチハ!

月並みな書き出しですがー(汗)、10月も今日で終わり、明日から11月。

今年も残り2ヶ月….気が早いラジオからは、もうクリスマスソングが流れたり。急ぎ過ぎていないか?世の中は!、と感じマス(笑)

「狭い日本そんなに急いで何処へ往く」なんて言葉ではないけれど、何処へ行くにも手段の発達で時間は短縮され、

今や知りたい情報や知識は、わざわざ紙の媒体を一枚一枚めくったり、人に尋ねること無く、ネットでサクッと得られるご時世。

ジックリ腰を据えて…..なんて行動もたまにはやってみたい管理人ですが、やっぱり時間がないっ!ってコトで、

結局は簡単な手段に走ってしまいがちな毎日でゴザイマス(汗)

 

と言いつつも、古いモノを見て、ゆったりとした長い時間の経過を辿ることを妄想してしまう管理人(笑)

弊社は1969年以降のBMWモーターサイクルを扱っているワケですが、それぞれの時で生まれ、

これまでに数十年間の長い時と共に走ってきた姿を、「このモーターサイクルはこれまでにどう過ごしてきたのだろう?」と、

各部分の傷み具合はもちろん、輝いている部分からも妄想を膨らませマス。

 

今年の春、一台の中古車が入庫してきました。昭和54年2月生まれの”R100S”。35才。ヒトですと中堅の働き盛りデス。

ヒトは自分で身だしなみや体調を整えることは出来ますが、モーターサイクルはそうはいきマセン。

育ちの良さはオーナーさん次第というコトになりマス(笑)

このR100S…. 元のオーナー様が可愛がっておられたオカゲで、35年経ている割には一般的に小奇麗な状態デシタ。

外観としては、少しの手直しで十分に中古車として販売可能な保管状態だったのデス。

入庫当時の画像がアリマセン….(泣) → 画像ありました!11月1日追加

そんなある春の日、昨年からこの頃のBMWをお探しで、時折ご来店いただいていたお客様が再びご来店。

「このR100S をもっと綺麗にして乗りたい。でもいわゆるフルレストアのピカピカではチョット…。」というご要望デシタ。

元々BMWモーターサイクルは、新車の状態でも国産車のように光った仕上げをしていまセン。これは現行車両でも同じ。

タンクやカウル等のお化粧部分以外はワザと光らせていないのデス。理由は長くなるので書きませんが、

要は「年月が経っても見栄えが変わらないように」という理由デス。

国産車では、モーターサイクル全体を艶のある仕上げをする場合がほとんど。

艶が時間の経過で失われていくと、車体全体の衰えを感じマス。

しかし、BMWは足回りやフレーム、エンジン等は強い塗装を使いながらも半艶仕上げ。先の理由からデス。

つまり、この理由をご存知だったお客様は、当時の新車に近い状態でこれからお乗りになりたかったのデス。

 

ツーリングでの休憩中、いかにもフルレストアされた昭和50年代のBMWに出会うコトが時折ありマス。

確かに素晴らしく綺麗でどこもかしもピカピカ。エンジンやミッション等も艶ありまくりデス。

市場調査(笑)のためにご購入金額を伺うのですが、管理人もビックリのウン百万円代が多いこと!!

荒っぽい言い方ですが、全てを新品に換え、全てを艶々に塗り直し、ブラストしまくれば外観は簡単デス。

しかし、その方法の否定は出来マセン。出会ったオーナー様の方々は実際にとても満足されておられましたし、

各々のショップさんのご商売としての個性や売りの部分でもありマス。でも新車当時の独特なオーラはというと…..。

ご存知の方も多いと思いますが、弊社スタッフは当時の新車を数多く見てきていますからネ。妙なトコロにこだわりが(笑)

※一部ですが経過画像を。クリックすると拡大表示されます。

エンブレム等小物とリアショック等は新品を使用しましたが、塗り直しは極力減らし、

手磨きやサンド/ウォーターブラストは場所によって使い分け、光り過ぎていない当時のオーラを目指しまシタ。

もちろん、エンジンを含め機械部分の仕上げもいつものように工場長の鋭い感性が活かされていマス。

 

他の整備車両と並行しながらでしたので時間は掛かりましたが、先週ようやくR100Sは完成。

ご購入いただいた新オーナー様に現車をお見せし、試走もしていただきマシタ。

当時のオーラを感じる仕上げはもちろんのこと、走りに関わる車体の仕上げも非常に満足していただいていマス。

実際の納車は近々。時々ご来店され仕上げ過程を見守ってきた新オーナー様は先日の試走後、

「キチンと仕上がったBoxerの振動は柔らかくて気持ちイイ。光りすぎていない美しさは愛着が湧く。

淡々と一日中乗り続けて、たくさんのロングツーリングに出掛けたい」と仰っていまシタ。

 

このR100Sが抱く35年の時の流れを新オーナー様も想像しながらガレージライフを楽しまれるコトでしょう。

これからはコイツとどこにでも行きたいゾ!って地図とにらめっこしながらのワクワクする計画と共に。

えっ?タイトルに相応しい肝心の車体全体の画像が無いゾって?

全体画像は新オーナー様への納車の時に撮りたいナと考えていマス(汗)