皆さん、コンニチハ!
昨夏同様、梅雨明け以降の九州は今夏も猛暑酷暑の毎日になってますねぇ….。
身体は多少慣れてきたとしても、やはり毎日続くと思考も行動もダレ気味になってきて(汗)、
「これじゃいかんいかん」と自分自身に言い聞かせながら過ごしている方も多いのでは?と思いマス。
ニュースから流れる「今年も暑いですねー」な声に毎年暑いと感じてしまいがちですが、
日記を遡ってみると、一昨年の北部九州は梅雨&長雨でお盆までグズつき、
冷夏と言われた夏だったんですよネ。覚えている方、います?
さてさて、この猛暑….人間はダレてくると休憩しますよネ(笑)
はい、身体の正直な反応デス。
でも、機械は正直者デス….暑くても壊れるまで仕事を止めません。
エンジンで言えば、「オーバーヒートで故障・停止」するまでは、調子が悪くなる予兆があったとしても動き続けマス。
というワケで、今回は店頭でご質問いただくことが多いオーバヒート予防について、
BMWオートバイ・空冷ボクサーエンジンに限定し出来るだけ簡単に書いてみますネ。
もっと早い初夏の頃に書けよ!ってハナシですがー、まだまだ猛暑酷暑は続きマス(汗)
このエンジンの場合、古~いOHV、1100・1150・1200のインジェクションモデル問わず、
酷暑の中のハイギア・ハイスピード走行含めて、ごく普通に走行している限りは
オーバーヒートによって路上で頭を抱え込んで悩むことは極々稀デス。
酷暑でのノロノロ渋滞でもアイドリング付近の回転を使えばやり過ごすことが出来る冷却性能を備えていマス。
このように極々稀なコトとは言え、空冷に乗っている以上は切実に気になりますよネ。
先ずは、実はエンジンの種類によってオーバーヒートしにくい順番があるってことを書きマス。
オーバーヒートしにくい順番で左から順に書きますと……
OHV → 1,100 → 1,150 → 1,200
はい、古い方がオーバーヒートし難いんですネ。
※画像をクリックすると拡大表示されます。
理由を粗っぽく書くと、パワー/冷却・燃焼効率の関係デス。
OHVはフィンの形状や大きさ等の冷却効率がパワーに対して絶妙にバランスしていマス。
つまり、キャブレター・低圧縮爆発であり、高回転でのパワーを求めずに
極端な希薄燃焼ではないため燃焼温度は低い。そして深いフィン….
結果オーバーヒートトラブルが少ないというワケなんデス。
1,100以降のインジェクションモデルは、厳しくなる排ガス規制とハイパワー化を両立させるため、
新しくなる度に高圧縮・希薄燃焼セッティングを進めていき、
もちろんフィンも可能限り多く深くし、同様にオイルクーラーも大型化されまシタ。
*写真はR1150Rツインスパーク。1,100も基本はこの形状。
では、「OHVよりオーバーヒートしやすいのならフィンを増やし、もっと大型化すればいいのでは?水冷化はどうも….」
なんて意見を思いつく方も多いと思いマス。
フィンを大型化すればエンジン単体が必然的に大きくなり、
スポーティーさに欠けるとエンジニアやデザイナーは単純に考えたでしょうし、
ライバル社は既に空冷に別れを告げつつ水冷搭載車を増やし、
BMW社にトータル性能で凌ぐべくモデルを特にこの10年は積極的に発表している….。
つまり他社がぶつけてくるモデルに負けることは出来ない…..。
そして、先にも書いたように数年毎に厳しくなっていく排ガス規制。そしてハイパワー化と燃費の両立。
つまり、1,200・DOHC空冷ボクサーがスポーツツーリングエンジンとして余裕を備えた上での限界だった、と言えると思いマス。
結果、2013年にボクサーエンジンは水冷化され、現在に至っている、と考えて良いでしょう。
*写真は空冷最後となった1,200のパイロットモデル・R1200GS/OHC
理由付けからの説明が長くなりまシタ(笑)
いよいよ本題デス!!
では、オーバーヒートでエンジンを傷めないように予防するにはどう注意すれば良いのか。
先ず、アイドリングでの放置は季節問わず絶対に厳禁デス!!!
しばらく乗ってないからと「始動確認とバッテリー充電」のつもりで、とエンジンを掛けてアイドリング放置。
この時期ですと、10~15分程度でオーバーヒートしてしまいマス…..。
冬場でも、屋内の車庫でこれをやると20分でオーバーヒートした例がありマス。
オーバーヒートを通り越し、R1100-1150RT/RSはカウルが溶けてしまい、車体が燃えてしまった例が国内でも……。
次に徹底したエンジンオイル管理がとても大切デス!!!
空冷エンジンは、オイルに冷却作用を頼りきっていると言っても過言ではありまセン。
オイルの銘柄(品質)や粘度が各々の空冷ボクサーエンジンに本当に合っているものなのか。
量は規定値内に収まっているのか(少なくても多くても規定値外はNG)。
交換頻度は、OHVの場合は3,000km毎、インジェクションモデルは理想値3,000km、遅くとも5,000km毎で行っているか、等。
※交換頻度は長年BMW空冷ボクサーに関わってきた弊社の参考推奨値です。
そしてオーバーヒートになりやすい走行状況、例えば長時間の渋滞で低いギアのまま高めの回転数で走行し続けていないか?
走行中には必ず予兆がありマス。
例えば「アイドリングが安定しない」、「回転が落ちる時にブルブルと振動が出る」等々デス。
アイドリングに近い回転数で走行するのはとても有効ですし、安全な場所で5分エンジンを停止するだけでもかなり冷えて改善されマス。
長くなりましたが、出来る限り簡単に書きまシタ(汗)
書いていることを読むと、「BMW空冷ボクサーエンジンって乗る時や管理が面倒くさい!」と思われるかもしれまセン。
しかし、このエンジンでしか味わえない素晴らしい感覚はご存知の方が圧倒的に多いハズ♪
走らせれば、まったりモードはもちろん、シュッと元気良いモードでも、
これ程人間に優しい大排気量エンジンを積んだオートバイは他には無いと思っていマス。
だから水冷化された現在でも、各々の空冷ボクサーエンジンから離れられない人々が世界的に多いのでしょうネ♪
あっ!!これは水冷ボクサーエンジンを否定するものではありまセン(笑)
実は、水冷ボクサーエンジンを搭載したHPシリーズ(特にエンデューロ!!)を切に望んでおりマス♪